ほしのいろ

るっかの個人メモ。

JPopにおける王道進行の使用頻度(3)

適当に借りてきたアルバムを聴きながら引き続き記事でも書く。

earth-color.hatenablog.com

 

王道進行と呼べるかは微妙であるが、

FM7→FM7→Em7→Am

 

という進行の使用頻度もかなり高い。

例によって、1990年から2011年のオリコンシングルチャートの各年TOP20曲で、この進行が使われている曲を示していく。Em7→E7や、Am→Aも許容する。ただし、カノン進行の一部として使われている、すなわちC→G→Am→Em→F→Em Am→Dm7→Gのような形で使用されているものは含めない。

 

1990年

Bメロ

Dear Friend 中森明菜

 

1991年

Aメロ

Eyes to me DREAMS COME TRUE

Bメロ

どんなときも。 槇原敬之

 

1992年

Aメロ

Choo Choo TRAIN ZOO

Bメロ

Choo Choo TRAIN ZOO

サビ

もう恋なんてしない 槇原敬之Choo Choo TRAIN ZOO

 

1993年

Aメロ

負けないで ZARD、時の扉 WANDS

サビ

go for it! DREAMS COME TRUE

 

1994年

Aメロ

ただ泣きたくなるの 中山美穂

 

1998年

Bメロ

愛されるより 愛したい KinKi Kids

 

2001年

サビ

恋愛レボリューション21 モーニング娘。白い恋人達 桑田佳祐

 

2003年

Bメロ

永遠のBLOODS KinKi Kids

サビ

野性のENERGY B'z

 

2004年

Bメロ

瞳をとじて 平井堅

サビ

ORANGE RANGEREADY STEADY GO L'Arc~en~Ciel

 

2007年

Bメロ

ズッコケ男道 関ジャニ∞

 

2008年

Aメロ

Step and Go 嵐

 

2009年

Aメロ

Everything 嵐、THE MONSTER ~Someday~ EXILE

Bメロ

マイガール

サビ

THE MONSTER ~Someday~ EXILE

 

2010年

サビ

Dear Snow

 

2011年

Bメロ

オキドキ SKE48オーマイガー! NMB48

 

Aメロに関して、90年代前半と08年、09年のみ使われており、不自然なくらい偏っている。

Bメロは2年に1曲あるかどうかという感じで、年代による大きな変化は見られない。

サビは数年周期でポツポツ出たり消えたり。謎の挙動だ。

↑には示していないが、Aメロ、Bメロ、サビ以外(イントロ、間奏、Cメロなど)にも結構使われている。これらを含めた曲全体への使用頻度も妙に偏っていて、93年、03年、04年、08年は、4、5曲でどこかに使われている一方、0曲の年も見られる(02年とか)。偶然にしては不自然な気もする。

 

次。使用例は少ないが、以下のバリエーションもある。

FM7→FmM7(Fm)→Em→Am

 

1990年

Bメロ

ズルい女 シャ乱Q

2010年

Bメロ

果てない空

 

最後。カノン進行の一部として王道進行が使用されている例を示す。

 

カノン進行といえば、

C→G→Am→Em→F→C→Dm7→G

をベースとする進行であるが、このカノン進行の6小節目を変えて、

C→G→Am→Em→F→Em Am→Dm7→G

こんな感じにした進行もときどきある。6小節目と7小節目でツーファイブを実現しているわけである。いろいろバリエーションがある。

 

ではこのカノン進行+王道進行のパターンを以下に示す。

セブンスの有無などが適当すぎるが、許していただきたい。間違いがあれば指摘して欲しい。

 

1990年

サビ

真夏の果実 サザンオールスターズ(C→C→Am→C7→F→E7 Am→Dm7→Fm G)

 

1993年

Aメロ

揺れる想い ZARD(C→G/B→Am→Em/G→F→Em Am→Ab→G)

世界中の誰よりきっと 中山美穂&WANDS(C→Em→Am→Em→F→Em Am→Dm7-5→G)

サビ

世界中の誰よりきっと 中山美穂(C→Bm7-5 E7→Am→C Dm C/E→FM7 G7/F→Em7 Am→D7→G、C→Bm7-5 E7→Am→C Dm C/E→FM7 G7/F→Em7 Am→Dm7-5→G)

このまま君だけを奪い去りたい DEEN(C→G/B→Am→Em→F→Em Am→Dm7→Bm7-5 E7)

 

2000年

サビ

TSUNAMI サザンオールスターズ(C→E E/G#→Am→C7→F G→E Am→D D/F#→G)

 

2001年

Aメロ

波乗りジョニー 桑田佳祐(C→G/B→Am→Em→F G→Em Am→Dm7→Ab G)

サビ

波乗りジョニー 桑田佳祐(C→G/B→Am→Em→F G→Em Am→Dm7→F G)

 

2004年

サビ

さくらん大塚愛(C→G→Am→Em→F G→Em Am→Dm7→G)

 

2005年

Aメロ

Anniversary KinKi Kids(C→G→E→Am→F→Em Am→Dm7→G)

サビ

Anniversary KinKi Kids(C→G/B→Am→Em/G→FM7 G7/F→Em7 Am→Dm7→G、C→G/B→Am→Gm C→FM7 G7/F→Em7 Am→Dm7→G)

 

2006年

サビ

Dear WOMAN SMAP(C→G/B→Am→Gm7 C7→FM7→Em7 Am→Dm7 Fm→G、C→G→Am→Gm7 C7→FM7→Em7 Am→Dm7 Fm→G)

 

2009年

Aメロ

マイガール 嵐(C→G/B→Am→G→F→Em Am→Dm7→Gsus4 G)

悪魔な恋 中山優馬 w/B.I.ShadowNYC boys(C→Bm7-5 E7→Am→Gm7 C7→FM7→Em7 Am→Dm7→G、C→Bm7-5 E7→Am→Gm7 C7→FM7→Em7 Am→Dm7→Em E)

サビ

マイガール 嵐(C→G/B E7→Am→Em/G→FM7→Em7 Am7→Dm7→Gsus4 G、C→G/B E7→Am→Em/G→FM7→Em7 Am→Dm Em→F G)

 

2010年

Aメロ

チャンスの順番 AKB48(C→G/B→Am→Em/G→FM7→Em7 Am→D7→G)

サビ

チャンスの順番 AKB48(C→G/B→Am→Em/G→FM7 (G7)→Em7 Am→Dm7→G)

桜の栞 AKB48(C→G/B→Am→Em/G→FM7 G7→Em7 Am→F F#dim→G)

 

2011年

Aメロ

Everyday、カチューシャ AKB48(C→E→Am→Em→Dm7 G→Em A→Dm7 D7→G)

サビ

Everyday、カチューシャ AKB48(C→Em→F G→Em-5 A→Dm7 G→Em A→Dm7 D7→G)

バンザイVenus SKE48(C→G/B→Am→G F Em Dm→F→Em A→F Em→Dm7 G G)

 

90年台前半は、ビーイング、言い換えると織田哲郎のせい。雑談だが、世界中の誰よりきっと、個人的にビーイングの曲で一番好き。1度から3度への移動に弱いのよね私…。

90年代後半は全くないが、これは小室哲哉の影響?(小室哲哉はあまりカノン進行を使わない)。ちなみに、90年代後半は本家カノン進行の使用例も少ない。

10年、11年はAKB系。AKB系のグループはカノン大好きなのだが(別の機会に記事を書こうと思っている)、カノン+王道進行のパターンもなかなか多い。

 

つーかAnniversary(織田哲郎作曲)まで、さくらんぼ以外桑田か織田かどっちかなのよね…。その後はジャニーズとAKB系っていう。偏りすぎてJPopの統計調査としては不適切すぎわろた。

 

もっとも、最近ならいきものがかりなんかもこのカノン+王道進行のパターンが好きだし、桑田と織田とジャニーズとAKB系以外で使われていないってことはない。調査からは読み取れないけど…。

 

あと、数は少ないが、カノン進行をCで終了させたコード、すなわちC→G→Am→Em→F→C→Dm7 G→C

の6小節目を変えた、 C→G→Am→Em→F→Em Am→Dm7 G→Cという、カノン終了形+王道進行のパターンも見られる。

 

2001年

Aメロ

波乗りジョニー 桑田佳祐(C→G/B→Am→Em→F G→Em Am→Dm7 G→C)

 

2004年

サビ

さくらん大塚愛(C→G→Am→Em→F G→Em Am→Dm7 G→ C or Am)

 

2008年

Aメロ

I AM YOUR SINGER サザンオールスターズ(C→G/B→Gm/A#→F/A F/A F→Dm G→Em Am→F G→C) 

 

2009年

Aメロ

マイガール 嵐(C→G/B→Am→G→F→Em Am→Dm7 G→C)

 

2010年

Aメロ

チャンスの順番 AKB48(C→G/B→Am→Em/G→FM7 G7→Em7 Am→Dm7 G7→C)

 

2011年

サビ

Everyday、カチューシャ AKB48(C→Em→F G→Em-5 A→Dm7 G→Em A→Dm7 G→F)

家族になろうよ 福山雅治(C→E→Am→C7→F G→G#dim Am→Dm7 G→C)

 

こんな感じ。

本家カノン+王道進行と同じようなメンツだが、総じてBメロでは使用例が見られない。ちなみに本家のカノン進行でもBメロへの使用例はほとんど見られない(これはまた後日)。

 

さて、王道進行とJPopの関係は第3回で終わり。次はアニソンとボカロを少し扱う予定(ただし分量的には減るので期待しないほうが良い)。それが終わったら、グラフでも貼り付けてもうちょっと分かりやすく示すので、しばし待たれよ。